<『コメ奉行シリーズ』を用いたイネ品種の判別・特定の原理>

 組み合わせ


コメ奉行シリーズのキットは、弊社で蓄積したイネの品種間SNPsを用いて判別しております。基本原理は、イネ品種間SNPs(@)、アレル特異的PCR法(A)とマルチプレックスPCR法(B)の3つを組み合わせることで、より信頼性の高い品種判定および品種特定を可能にしています。




@ 品種の違いとSNPs


ゲノムとは、生物が生きていくために必要な最少の遺伝子(遺伝情報)全体の集まりのことをいいます。遺伝子はDNAによって構成されており、DNAは4つの塩基が連なってできています。その塩基の並び方は、イネであればほぼ同じですが、品種間においてわずかに異なる部分が存在します。その異なる部分をSNPs(スニップス)といいます。あきたこまちやひとめぼれなど、コシヒカリから育成された近縁品種間にもSNPsは存在します。このSNPsを調べることで、イネの品種を正確に知ることができるのです。

品種の違いとSNPs
あきたこまちやひとめぼれなど、コシヒカリから育種された近縁品種間にもSNPsは存在します。このSNPsの違いを調べることによって、お米の品種を正確に知ることが出来ます。


A SNPsの検出(アレル特異的PCR法)


PCRを利用したSNPタイピング法の一種です。片方のプライマー配列の3'末端(あるいはその近傍)にSNP部位がくるように設計します。なおかつ目的のアレルが効率よく増幅し、逆アレルが増幅しないように厳密に設計します。これにより、目的アレルをもつ品種である場合にのみ増幅バンドが検出されます。

アレル特異的PCRの原理


B マルチプレックスPCR


複数のプライマー対を同一反応液内で反応させることにより、複数領域の増幅を同時に行う方法です。本キットでは品種を判別する際に必要なSNPsが存在する複数領域を同時に増幅します。また、電気泳動でバンドを検出する際に、増幅されたDNA断片の分離が明確になるように設計されています。複数回行う必要があった作業が1回のPCRと電気泳動ですむため、短時間かつ低コストで結果を得ることができます。

マルチプレックスPCRの原理




C SNPの組み合わせによるイネ品種の判別


ゲノム上に存在するSNPsのタイプを調べ、そのパターンを弊社で蓄積したデータと照合することで、イネの品種を判別することができます。

イネ品種の判別



◎ 用語説明


 ・PCR(Polymerase Chain Reaction;ポリメラーゼ連鎖反応)法:
プライマーとよばれるオリゴヌクレオチド(短い一本鎖DNA)と耐熱性のDNAポリメラーゼをDNAと反応させて、目的の領域を特異的に増幅させる技術です。Taqポリメラーゼは「DNAの熱変性による1本鎖への解離」、「プライマーとの結合」、「ポリメラーゼによるDNA鎖の合成」の3過程を30〜40サイクル繰り返すことで、目的のDNAを指数関数的に増幅させます。PCR法では、サーマルサイクラーと呼ばれるDNA増幅装置が必要です。

 ・電気泳動法:
負の電荷を持つDNA分子は電場において、アガロースゲルやポリアクリルアミドゲルの複雑な網目構造を通る際に、分子が小さい(DNA断片の長さが短い)ほど早く移動します。このDNA分子サイズによる移動度の違いを利用した分離法をゲル電気泳動と呼びます。実際には電気泳動装置、泳動後にDNAを可視化する試薬類および装置が必要です。





戻る

  Copyright (C) 2007 Plant Genome Center Co.,Ltd.. All Rights Reserved.